2010年8月の読了本

『質量はどのように生まれるのか』 橋本省二 ブルーバックス
  *素粒子物理学の最新研究を踏まえて書かれた、「質量が発生するメカニズム」についての
   解説書。
『ビジョナリーカンパニー2』 ジェームズ・C・コリンズ 日経BP社
  *著者が「ビジョナリーカンパニー」と名付けた、いわゆる成功した企業の研究成果を
   まとめたビジネス書。
『オーケンの のほほんと熱い国にいく』 大槻ケンジ 新潮文庫
  *筋肉少女帯のボーカル大槻ケンジによる(「ゆるい」ではなく)「ぬるい」エッセイ。
   オーケンに匹敵するのは、みうらじゅんか、もしくは「怪しい探検隊シリーズ」の椎名誠
   くらいしか思い当たらない。落語家でいえば先代の林家木久蔵(今の木久扇のことね)
   あたりにイメージがかぶる。ボケもここまでくればある種の名人芸といえる。(笑)
『その数学が戦略を決める』 イアン・エアーズ 文春文庫
  *統計分析(データ・マイニング)による様々な分野での戦略決定について述べた経済学系
   の本。山形浩生訳。
『首無の如き祟るもの』 三津田信三 講談社文庫
  *ちょっと怪奇な味付けをした本格ミステリ。横溝正史や京極夏彦っぽい感じ。
『ピエール・リヴィエール』 M・フーコー編著 河出文庫
  *19世紀のフランスでおこった殺人事件の広範な記録の中に、「知のアルケオロジー
   (考古学)」で有名なフーコーらが権力構造を読み解いていく学術書。面白い。
『犬 他一篇』 中勘助 岩波文庫
  *自らの子供時代を描いた傑作『銀の匙』の作者による小説と随筆のカップリング。
   表題作は、古代バラモン僧の情欲と狂乱を通じて人間の醜さを描いた問題作。
『空飛ぶ円盤』 C・G・ユング ちくま学芸文庫
  *心理学の泰斗ユングが最晩年に書いた著作のひとつで、UFO目撃体験に関して心理学的
   な観点から考察を加えたもの。光る球体や円盤は古来「全なるもの」を示す元型として、
   多くは宗教体験の中で報告されてきた。また円は女性的なもの、円柱は男性的なものの
   象徴でもある事などから、様々な形のバリエーションも含めて殆どのUFO目撃体験が
   心理学的な立場から説明できるとしている。読む上で少し問題があるとすれば、最晩年の
   作だけに「錬金術の寓意」だとか「シンクロシニティ(共時性)」だとか、物議を醸した
   ユング後期の思想が無頓着に言及されている点。注意を要するだけにまだ手を出しかねて
   いた著作の概念を説明なく使われているので、きちんと理解できているのかちょっと
   不安になる。
『漂流巌流島』 高井忍 創元推理文庫
  *鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか?』やジョセフィン・ティの『時の娘』みたいな歴史
   ミステリ。通説になっている歴史上の有名な出来事について、全く違う結論を導くという
   パターンで、取り上げられているのは巌流島の決闘や新撰組の池田屋事件など4つの
   エピソード。
『パーソナリティ障害』 岡田尊司 PHP新書
  *現代の深刻な問題になっているパーソナリティ障害について解説した本。読んでいると
   頭の中に何人かの人物の顔がすぐに浮かんでくる。もしかして職場のトラブルの何割か
   は、これかアスペルガー症候群に対する無知/無理解が原因なんじゃないだろうか? 
   企業の人事関係者は必読かも。
『モザイク』 田口ランディ 新潮文庫
  *ちょっと説明が難しいタイプの小説。同じような作品としては『ノーライフキング』
   (byいとうせいこう)や『鉄コン筋クリート』(by松本大洋)などがあるといえば、何と
   なく雰囲気は分かってもらえるだろうか? 前半の“壊れた”感じが良かっただけに
   後半がとっ散らかってしまったのが惜しまれる。”あっち系”の世界については扱いが
   難しい。「あるかも知れず無いかもしれず、でもその人にとっては実在する」という
   くらい微妙な感じで書いてくれないと、少し興ざめしてしまう。(ネタバレしないように
   書いているけど、これでは何のことか判らんですね。/笑)
『デカルトの誤り』 アントニオ・R・ダマシオ ちくま学芸文庫
  *脳研究によってみえてきた、人の精神活動(心)と身体感覚の関係、そして理性と感情
   (情動)の関係についてまとめた本。
『反在士の鏡』 川又千秋 ハヤカワ文庫
  *ルイス・キャロルの「○○の国のアリス」2部作をアイデアの下敷きにしたSF小説。
   古い本なので現在は絶版だが、代わりに徳間デュエル文庫で完全版が手に入る。
『街場のメディア論』 内田樹 光文社新書
  *書店で大人気の内田樹による、マスコミと出版業界をテーマにした一冊。
『文豪怪談傑作選・幸田露伴集』 ちくま文庫
  *露伴の幻想系の小説と随筆をコンパクトにまとめた一冊。こーゆー本を長いこと待って
   ました。
『塩の道』 宮沢常一 講談社学術文庫
  *民俗学者・宮沢常一による晩年の著作。塩作りと運搬を通じて古来の日本の交通を考察
   した表題作ほか、全部で3編を収録。
『配達あかずきん』 大崎梢 創元推理文庫
  *作者が実際の新刊書店員であった経験を生かして書かれた“日常の謎”タイプのミステリ。
   同じ「書店」を題材にしても、古本屋を舞台にした紀田順一郎の『魔術的な急斜面』や
   『鹿の幻影』といったミステリだと、出てくる登場人物も愛書狂のジーサンとかばかりで
   辛気臭いけど(笑)、駅ビルの新刊書店が舞台だと華やかな感じで好いね。
   (注:もちろん上記の古本ミステリも大好きなので誤解無いように。/笑)
『肩甲骨は翼のなごり』 ディビッド・アーモンド 創元推理文庫
  *ちょっと暗めのファンタジーだが読後感は決して悪くない。裏庭で不思議な”存在”
   を見つけてしまった少年と友人の少女の、心の成長を描いた物語。
『千利休 無言の前衛』 赤瀬川源平 岩波新書
  *芸術家・赤瀬川がひょんなことから映画『利休』の脚本を書くことになって知った、
   茶の湯と千利休にまつわる様々な思いをつづったエッセイ(というか評論?)。
   茶室や茶器の世界がトマソンや路上観察学会ともつながってしまうのが著者らしくて
   好い感じ。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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