2010年7月の読了本

『死にとうない 仙和尚伝』 堀和久 新人物文庫
  *禅僧・仙を題材にした時代小説。破天荒な人物像がうまく描かれている。
『クラッシュ』 J・G・バラード 創元SF文庫
  *バラードの最高傑作との声もある問題作。クローネンバーグによって映画化された。
『松岡正剛の書棚 松丸本舗の挑戦』 中公公論新社
  *東京駅の丸善の中にある丸善と松岡正剛のコラボ企画、「松丸本舗」の書影が
   ふんだんに掲載されたブックガイド。これを見たら読みたい本がまた増えてしまった。
『他界をワープする』 小松和彦/立松和平 朝日出版社
  *各分野の専門家から門外漢へのレクチャーという形式をとった対談シリーズの一冊で、
   本書のテーマは「民俗社会」。とても面白い!
『言語・思考・現実』 B・L・ウォーフ 講談社学術文庫
  *「言語が思考を規定する」という刺激的な考えを初めて提唱した言語学者による、
   論文やエッセイを集めた本。海外で編纂されたものから抜粋してある。
『春宵十話』 岡潔 光文社文庫
  *数学者である著者によって60年代に書かれた、教育論を中心とするエッセイ。
   「情緒教育」を主眼に置いた主張でありPHP研究所あたりがすごく好きそうな内容。
   沢山の本の中には一つくらいこういう本があってもいいし、松岡正剛が高く評価した
   理由も何となく理解できる。ただ(新渡戸稲造の『武士道』と同様に)、この手の本が
   ベストセラーになるという今の風潮はどんなものだろうか。
『一休・正三・白隠』 水上勉 ちくま文庫
  *異端の禅僧である一休宗純、鈴木正三(しょうさん)、白隠掛錫の3人について、
   文学者にして仏教者である著者が書いた評伝。やっぱり一休はいいなあ。それに比べて
   白隠は生真面目過ぎて小さくまとまり過ぎた感がある。一休や仙を「大悟」とすれば
   白隠は「小悟」のイメージがあってどうしても負ける。(正三は言わずもがな。)
『うなぎの丸かじり』 東海林さだお 文春文庫
  *食べ物をテーマにして東海林さだおの長寿エッセイ。同じテーマでよくもまあこれだけ
   長いこと続けられるなあ、と言いつつどうしてもやめられない。(笑)
『知覚の呪縛』 渡辺哲夫 ちくま学芸文庫
  *精神分裂症(統合失調症)の患者との対峙を通じた、精神科医の思索の記録。
『悪魔祓い』 ル・クレジオ 岩波文庫
  *フランスのノーベル賞文学者による、若かりし頃に書かれた文明批評の書。
『NOVA2』 大森望 編 河出文庫
  *文庫オリジナルのアンソロジー第2弾。『クォンタム・ファミリーズ』で三島由紀夫賞を
   受賞した東浩紀が同シリーズの作品を寄稿するなど、執筆陣が結構充実している。
『編集者の仕事』 柴田光滋 新潮新書
  *新潮社に長年勤めて書籍の編集に携わった著者が、書籍の編集者が担当する仕事のうちで
   主に「本づくり」という“ハード面”についてまとめた本。筑摩書房の名物編集者である
   松田哲夫が「本の企画から原稿の取得」にまつわる体験を書いた『編集狂時代』
   (新潮文庫)とあわせて読めば、編集者の仕事を理解するのに完璧。
『火星年代記[新版]』 レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫
  *言わずと知れたオムニバス長篇の「名作」。“新版”が出たと聞いて数十年ぶりに読み
   返した。実は中学の頃はそれほど感心しなかったのだが、改めて読み返したら割と
   面白かった。(但し好い話ほど無理に火星を舞台にする必要はないところが辛い/笑)
   気に入ったのは「荒野」「第二のアッシャー邸」「長の年月」、他に良くできていると
   思うのは「霧の夜」「優しく雨ぞ降りしきる」「百万年ピクニック」あたりか。
『アフォーダンス入門』 佐々木正人 講談社学術文庫
  *“新しい世界の見方”を提供する概念「アフォーダンス」についての解説書。
   「アフォーダンス」はとても重要な概念だと思う。
『素人庖丁記』 嵐山光三郎 講談社文庫
  *嵐山の“食”に関するエッセイシリーズの記念すべき1作目。講談社エッセイ賞を受賞
   した傑作。嵐山の本は結構クセがあり好き嫌いが分かれるかも知れないが、この
   シリーズはそのクセもとてもいい風味になっていて大ファンである。
   小ナスを盆栽にして、木に実ったままヌカ漬けにしたり、カツオ節を水でもどして
   刺身にしたりと、著者の飽くなき好奇心は留まるところを知らない。
『「名づけ」の精神史』 市村弘正 平凡社ライブラリー
  *社会の様々な病巣に著者ならではの焦点をあてる評論集。
   『知覚の呪縛』に関する一文も掲載されている。
『砂漠の修道院』 山形孝夫 平凡社ライブラリー
  *宗教学の研究者によるコプト教(エジプトのキリスト教)の修道院における
   フィールドノート。
『素人庖丁記4 ごはんの力』 嵐山光三郎 ランダムハウス講談社文庫
  *傑作エッセイシリーズの完結編。
『統合失調症あるいは精神分裂病』 計見一雄 講談社選書メチエ
  *臨床精神科医による、精神医学関係者への全9回に亘る講義録。べらんめい調で
   ズケズケとしたもの言いが心地いい。こんな感じの人、好いなあ。
『量子回廊』 大森望/日下三蔵 編 創元SF文庫
  *<年間日本SF傑作選>の第3冊目で、2009年に出版された短篇を対象にした
   文庫オリジナル。どの作品もそれなりに面白く読めたが、自分が特に気に入ったのは
   以下の3つの作品。
   皆川博子「夕陽が沈む」、八木ナガハル「無限登山」、新城カズマ「雨ふりマージ」
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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