2010年6月の読了本

『翻訳家の仕事』 岩波書店編集部編 岩波新書
  *第一線で活躍する翻訳家37人が好きなテーマで書いたエッセイ集。
『フロイト思想を読む』 竹田青嗣/山竹伸二 NHKブックス
  *過去のものとして退けられがちなフロイト理論について、その最善部分を新たな思想と
   して蘇らせようとする良質な研究書。
『ん -日本語最後の謎に挑む-』 山口謡司 新潮新書
  *日本語の「ん」が成立した歴史について、過去からの文献を調査/検証した本、面白い。
『脳はなにかと言い訳する』 池谷裕二 新潮文庫
  *気鋭の脳科学者が書いたエッセイ集。最新の研究成果をお手軽に紹介(茂木健一郎よりも
   よほど好い)。
『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』 フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
  *ディックの代表作のひとつ。久々に読みかえしたところ、意外とストレートでわかり
   易かったので驚き。記憶ではもっと混乱したストーリーだと思っていた。
『南方熊楠 地球志向の比較学』 鶴見和子 講談社学術文庫
  *南方熊楠の業績や人生について広く過不足なくまとめた評伝で、おそらく熊楠への入門
   には最適な本。ただしきれいにまとまっている分、ある程度すでに知っている人には
   ちょっと食い足りないかも。
『知恵の樹』  H・マトゥラーナ/F・バレーラ ちくま学芸文庫
  *「オートポイエーシス理論」(すぐに間違えそうになるが「アポトーシス」じゃない)
   について書かれた入門書にして、新たな生命哲学の誕生を高らかに歌い上げる
   マニフェスト。
『ぼくらが夢見た未来都市』 五十嵐太郎/磯達雄 PHP新書
  *フィクションとノンフィクションにおける様々な「未来都市」について紹介した本。
『死者の書・口ぶえ』 折口信夫 岩波文庫
  *民俗学者(&国文学者・詩人・歌人)の折口の、文学者としての代表作。
『脳と日本人』 松岡正剛/茂木健一郎 文春文庫
  *本書は松岡正剛との対談集だが、いつ何を読んでも茂木健一郎というオトコはどうも
   怪しい。前に中沢新一と爆笑問題・太田光が対談した時の太田ぐらい胡散臭く見える。
   (笑)
『海のビー玉』 長新太 平凡社ライブラリー
  *イラストレーターにして絵本作家であるナンセンス作家・長新太のエッセイ集。
   こういう感じ、好きだなあ。彼のイラストと同じで何とも説明しようがないけど好い
   雰囲気。長新太という名前は知らなくても、きっと彼の絵はだれもが見たことがあると
   思う。(沢野ひとしや古川タクみたいなフリーハンドを得意とする画風。)
『疫病と世界史(上・下)』 W・H・マクニール 中公文庫
  *「世界でもっとも尊敬される歴史家」が、人類史に疫病が与えた影響について論じた
   名著。
『アラビアン・ナイトの世界』 前嶋信次 平凡社ライブラリー
  *世に名高い『アラビアン・ナイト(千夜一夜)』の成立や背景について、東洋文庫収録の
   原典訳を行った著者が長年の研究成果を一般読者向けに分かり易く紹介。
『宇宙飛行士 オモン・ラー』 ヴィクトル・ペレーヴィン 群像社ライブラリー
  *50~60年代のソ連を舞台にした、宇宙飛行士を目指すひとりの少年が主人公の物語。
   ヴォネガットを思わせるようなアイロニー(皮肉)やアレゴリー(寓意)に溢れた傑作
   中篇である。(ただしユーモアは無いが。)表紙が宇宙服とエジプトのラー神の頭部を
   組み合わせたデザインでとても格好いい。
『河童駒引考』 石田英一郎 岩波文庫
  *柳田國男の論考「河童駒引」に触発されて、規模を日本のみならず世界にまで広げて
   検証した論文。
『インドで考えたこと』 堀田義衛 岩波新書
  *文学者・評論家である著者が、アジア作家会議の書記局員としてインドで過ごした
   2ヶ月間に感じたり考えたことを書いたエッセイ。「世界の中のアジア」と「アジアの
   中の日本」について想いを馳せた本としては、かなり早い時期にあたる。卓抜な
   文明批評になっており、誰に薦めても恥ずかしくない一冊。
   ちなみに椎名誠がこれに触発されて『インドでわしも考えた』(集英社文庫)を書いた
   が、中身は全然違う。(笑)
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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