2016年8月の読了本

 親の介護の話は兄貴と協力しながら徐々に進めている。残りの余暇についても、7月は読書会、8月はSFシンポジウムの対応で時間をつかったこともあり読書はなかなか厳しい状況が続いている。(でも読書会とシンポジウムは準備の甲斐あってとても充実したものになったので良しとしよう。)
 さてそんなわけで今月も読めたのはたったの2冊。時間が取れない分、選書にはこれまで以上に気を遣っているので、どちらも面白い本だった。(しかしこのペースだと、ストレス解消のために買う量が増えているのと相まって、本が溜まっていくなあ。どうしよう。/苦笑)

『怪談四代記』小泉凡 講談社文庫
 副題は「八雲のいたずら」。小泉八雲の曾孫にあたる民俗学者が、八雲に関するエピソードを語るエッセイ。八雲に関わる世界各地の人々との交流や、それにまつわる不思議な体験の思い出がとても面白い。そして図らずも、優れた小泉八雲論にもなっている。八雲の足跡を辿る著者自身の旅行記も面白いのだが、ところどころに挿入される曾祖父・小泉八雲やその息子(著者の祖父)である民俗学者・小泉一雄の著書からの引用がまた愉しい。(八雲:『明治日本の面影』、一雄:『父「八雲」を憶ふ』など)本書を読んでいるうち、それらの本も読みたくなってきた。こうしてまた読みたい本が増えていくのだ。(笑)

『魔法の夜』スティーヴン・ミルハウザー 白水社
 ローラにハヴァストロー 、クーパーやダニーにリンダ、そしてショーウィンドウのマネキンたち……。老若男女、人生の憂さに身を焦がし、満たされぬ思いを抱える全ての者たちの上に、月の光と夜の声による魔法の夜が訪れる。心に残る佳作。
 ミルハウザーは面白いのだが何となく腑に落ちないところがあって、それほど良い読者ではない。でもこの本はとても面白く読み終えることが出来た。自分が大好きなジョン・クロウリー『リトル・ビッグ』もそうだが、直接言葉にできないものを様々な描写の積み重ねで徐々に暗示していく話が好きだ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
プロフィール

舞狂小鬼

Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

最新トラックバック
FC2カウンター
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR