『歌麿さま参る』 光瀬龍 ハヤカワ文庫

 ふと光瀬龍の作品を読みたくなった。扶桑社文庫から『多聞寺討伐』が出版されて古い作品も入手しやすくなったことだし。(といいつつ数十年前のハヤカワ文庫を読んでいたら世話はないか。/笑)
 一時期、時代小説(司馬遼太郎などの歴史小説ではなく柴田錬三郎とかの方、念のため)に凝ったことがあった。光瀬龍は時代小説に「タイムパトロール」というSF小説のアイデアを組み合わせた作品を数多く書いており、(取ってつけたようなオチのものも多いが、)うまく嵌まればとても面白いものになる。本書でいえば表題作の「歌麿さま参る」や「ペニシリン一六一一大江戸プラス」などが傑作。時代考証は執筆当時の水準としては非常に高く、戦国や江戸の雰囲気がリアルに再現されていて素直に物語に入り込める。そこにSFとしての完成度が加わると「多聞寺討伐」のような大傑作になる。たまに古い作品を無性に読み返したくなるので、多分そのうち他の光瀬作品も読み返すことになると思う。次には『寛永無明剣』(ハルキ文庫)でも読んでみようかな?うろ覚えだけど、『夕ばえ作戦』『暁はただ銀色』と並ぶジュブナイル(懐かしい言葉!)の名作だったはず。

<追記>
 その後、『寛永無明剣』を見つけて読んだところ、ジュブナイルでは全然なかったことが判明。やはりうろ覚えはコワイ(^_^;) 江戸時代を舞台にしてタイムパトロールが活躍する素敵な伝奇小説だった。ラストは少しとっ散らかるが、なかなかどうして、ジュブナイルどころか大人向けの立派なエンタメ小説だった。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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