松岡正剛_My favorite 15

<マイベスト>
★『山水思想』 ちくま学芸文庫
  *山水画の成立過程をひも解いて、日本独特の「引き算の思想」を明らかにする。
★『遊学(I・Ⅱ)』 中公文庫
  *古今東西の142人をとりあげ、思うままに書き綴った本。
   人物版の千夜千冊というか、千夜千冊のスタイルの原型というか。
★『日本という方法』 NHKブックス
  *『山水思想』でとりあげた「引き算の思想」をはじめ、「デュアルスタンダード」や
   「てりむくり」など様々な日本思想をわかりやすく紹介。
★『ルナティックス ― 月を遊学する』 中公文庫
  *月にまつわる諸々を紹介。「弱さ」を題材にした『フラジャイル』や、
   人物をとりあげた『遊学』と同様、著者お得意のワンテーマ本。
次点)
 『日本数寄』 ちくま学芸文庫
 『白川静 ― 漢字の世界観』 平凡社新書
 『誰も知らない世界と日本の間違い』 春秋社
 『フラジャイル』 ちくま学芸文庫

 『空海の夢』の感想でも書いたが、若いころの松岡正剛の著作は正直言って読みにくい。2000年刊行の『日本数寄』以降あたりからは一般的な読者にも解りやすい文章になってきたが、それ以前の著作は話が飛び過ぎ&専門的過ぎで、ついていくのが結構やっとだったりする。(千夜千冊を始めたのもちょうど2000年だから、何か思うところがあって読み易さにも気を配るようになったか?)そんな初期の著作群の中では、『ルナティックス』や『遊学』が自分の好みと一致していて好かった。
 一方で松岡には日本文化に関する著作も多いが、それらはテーマが絞られている分あまりブレることが無く、どれも比較的読みやすい。中では『山水思想』や『日本という方法』が秀逸だった。

<追記>
 彼を料理人に喩えるとすれば、日本料理の板前だろうと思う。但しその理由は、彼が好んで取り上げるテーマに「花鳥風月」や「山水画」など日本のものが多いから、という訳ではない。博覧強記のその知識を自分の理論を説明する材料に使うのでなく、まるで板前が市場で仕入れた活きの良い素材を目の前でお造りに料理してくれるように、古今東西の著作から「こんなのもある」といって良い素材を惜しげもなく並べて見せる執筆スタイルだから。(ただし供される「刺身の盛り合わせ」たるや、半端な量ではないが。)
 最初の頃はまだ戸惑いもあったようだが、『千夜千冊』に至ってついに「素材をただ面白がってしまう」という著述スタイルを確立することに成功した。“色んな事を面白がるスキル”で松岡正剛に匹敵するのは、自分が知る中ではたぶん山口昌男くらいしかいないかも?

【人と作品】
 大学の専攻は仏文科(中退)だが、文系や理系といった枠を軽々と越えて古今東西の様々な著作・思想・文芸に精通する「遊学」の提唱者。70~80年代に雑誌『遊』の発行で一躍有名になり、その後は「編集」や「日本」というキーワードで代表される思索・表現活動を続けている。2000年からインターネットのサイトで連載を始めた『千夜千冊』が各界で大反響となり、今の出版界で一番注目を浴びている著述家のひとりである。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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