長い題名の小説

 世の中にはやたらと長い題名がついた小説が存在する。村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』とか、海外ではトマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』などが有名。SFの分野でも長い題名をつけた作品が結構あって、ぴたっと嵌まると凄くカッコイイ感じが好い。時代で言うと70年代あたりが多いのかな?(ちゃんと数えたわけではなく直観なので違ってるかも知れないが。)

 以下、海外のSF小説の中から「うーん、かっこいいなア」と思ったものをいくつか挙げてみる。ただし題名だけ奇をてらっても仕方ないので、作品としても良いと思ったものだけ。

 *注)『 』は長篇、「 」は短篇で後ろにある書名は収録された作品集*

  1)『流れよわが涙と、警官は言った』
     フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
  2)『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
     フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
  3)『パーマー・エルドリッチの3つの聖痕』
     フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫
  4)『去りにし日々、今ひとたびの幻』
     ボブ・ショウ サンリオSF文庫
  5)『鳥の声いまは絶え』
     ケイト・ウィルヘルム サンリオSF文庫
  6)「時は準宝石の螺旋のように」
     サミュエル・R・ディレーニィ サンリオSF文庫/同タイトルの短篇集
  7)「「悔い改めよハーレクイン!」とチクタクマンは言った」
     ハーラン・エリスン 河出文庫/『20世紀SF(3)』
  8)「俺には口がない、それでも俺は叫ぶ」
     ハーラン・エリスン 講談社文庫/『世界SF大賞傑作選2』
  9)「世界の中心で愛を叫んだけもの」
     ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫/同タイトルの短篇集
  10)「ガラスの小鬼が砕けるように」
     ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫/『世界の中心で愛を…』
  11)「その顔はあまたの扉、その口はあまたの灯」
     ロジャー・ゼラズニイ ハヤカワ文庫『伝道の書に捧げる薔薇』
  12)「青をこころに一、二と数えよ」
     コードウェイナー・スミス ハヤカワ文庫『第81Q戦争』
  13)「ウェーク島へ飛ぶわが夢」
     J・G・バラード NW-SF社『死亡した宇宙飛行士』

 1)、4)、6)、12)あたりの題名は、見た瞬間に「いいなあ」と思った。7)とか8)なんかも、
文はムチャクチャだけど妙に格好良くて好きだなあ。ちなみに9) は言わずと知れた“さるベストセラー小説”で流用されたもので、2)は映画『ブレードランナー』の原作で有名。
 ハーラン・エリスンのように長い題名を付けるのが趣味のような作家も中には居るようだが、傾向としては「文学がかったもの」「宗教がかったもの」「それ以外(語感のカッコよさだけ?)」の3つくらいに分かれると思う。
 昔、テレビの2時間ドラマなどでもやたら長い題名ばかりついていた時期があったけど、こういうのも作家や編集者の流行りがあるのだろうか? 個人的には長い題名は好きだけれど、きっと本屋が問屋に注文を出すときは面倒なんだろうナ。

<おまけ>
 長い題名の中には正直なところ「ちょっと奇をてらい過ぎて恥ずかしいのでは?」とか思うのもある。どういうつもりで付けたのかは知らないけど、そんなものも少し。(話は面白かったから別に好いけど。)

  ・『熱い太陽、深海魚』
     ミッシェル・ジュリ サンリオSF文庫
  ・「そして、ついに、着飾った捕食者たちの時代がやってきた…」
     ピエール・クリスタン サンリオSF文庫/『着飾った捕食家たち』
  ・「ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち」
     コードウェイナー・スミス ハヤカワ文庫/『竜と鼠のゲーム』 
  ・「黄金の船が―おお!おお!おお!」
     コードウェイナー・スミス ハヤカワ文庫/『竜と鼠のゲーム』
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No title

個人的にはマーガレット・セントクレアの「どこからなりとも月にひとつの卵」(サンリオSF文庫)が好きです。野口幸夫くんの傑作だと思っています。

まもる様

おお、そうでした。『どこからなりとも月にひとつの卵』をすっかり忘れていました。わたしもあの題名(&短篇集)は大好きです。

「あるいは牡蠣でいっぱいの海」とか、考え出すとまだまだありますね。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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