P・K・ディック_My favorite 10

<マイベスト>
★『ユービック』ハヤカワ文庫
   *『虚空の眼』ともシチュエーションが一部重なるところがあるが、
    現実崩壊の衝撃やスピーディ且つスリリングな展開など、
    どこをとっても一級品。
★『パーマー・エルドリッチの3つの聖痕』ハヤカワ文庫
   *「キャンD」「チューZ」という麻薬により、
    現実と非現実の境が壊れていく悪夢的世界を満喫。
★『暗闇のスキャナー』サンリオSF文庫⇒創元推理文庫
           (『スキャナー・ダークリー』ハヤカワ文庫)
   *半自伝的な作品といわれているが、確かに麻薬によって意識が
    混濁してく様子の迫真性は圧巻。英国SF協会賞受賞。
★『流れよわが涙、と警官は言った』サンリオSF文庫⇒ハヤカワ文庫
   *ある日、目覚めると自分の身分を証明してくれるデータが全て
    消え去っているという不条理。これもある意味での現実崩壊のひとつ。
★『まだ人間じゃない』ハヤカワ文庫
  *短篇集。表題作は凄いの一言につきる。
次点)
『火星のタイム・スリップ』ハヤカワ文庫
『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』ハヤカワ文庫
『死の迷宮』サンリオSF文庫⇒創元SF文庫
『虚空の眼』サンリオSF文庫⇒創元SF文庫

 ディックの作品では『ユービック』が別格で一番のお気に入り。あとは甲乙つけがたく、次点も含めてその時の気分で入れ替わりもあるかな。バラードの場合は登場人物がどんなに悲惨な状態になっても、まるでひとつのタブローを見るようでどこか静謐な雰囲気が漂うが、ディック作品においては真後ろからいつ襲いかかられるか判らない不安感が強い。ドロドロしたものは正直言ってあまり好みではないのだけれど、彼の場合だけは悪夢の度合いが強いものほど読みたくなってくるから不思議。まるで果物のドリアンみたい。

【人と作品】
 今ではすっかり一般にも知られる有名作家だが、本来はもっとマニア受けのマイナーな作家だった。短篇と長篇では作風が大きく異なり、奇抜なアイデアで抜群に面白い短篇に対して、長篇の世界を一言で表現するなら“悪夢”がふさわしい。(短篇と長篇の差が大きい作家としては、R・A・ラファティも有名。)「火星」「アンドロイド」「超能力」といったチープなSFネタを使いながら、現実崩壊の感覚をこれでもかと突きつけてくる落差がファンには堪らない魅力。
 後年は薬物中毒の影響などで神経を病んで神秘主義的な傾向が強まり、『ヴァリス』『聖なる侵入』『ティモシー・アーチャーの転生』の“神学3部作”を発表した。1982年死去。日本では死後に再評価の機運が高まり、『アンドロイドは電気羊…』を原作にした映画『ブレードランナー』の公開以降、一般にも知られるようになった。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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