本が呼ぶ日

 日々暮らしていると、ときおり「本が自分のことを呼ぶ日」というのがある。何となく本屋に行きたくなる日だ。行くのは新刊書店だったり古本屋だったりとその時々で違うのだが、いずれにせよ何となく掘り出し物に当たるようで落ち着かない気持ちになる。そんな日は買うかも知れず買わぬかも知れず、一応財布の中には何がしかの準備を怠りなく家を出るのだ。
 たとえば、念のために足を運んだ少し離れた古本屋。店先の均一台を見ると、それまで長いこと探していた本が何気なく突っ込まれていたりする。他の古本屋に売ってはいても数千円もするので諦めた絶版本が、僅か数百円で手に入る。そんな時は内心「ああ、おまえが呼んでいたのか」とつぶやくことも。(*)
 何故だろうかね。不思議なもので本好きな人のエッセイを読むと、多かれ少なかれ誰しも同じような経験があるようだ。(なんでもこういった現象を“引き寄せ”とかいうらしい。別に神秘体験とかに結び付ける気はさらさらないけどね。/笑)

   *…均一台とは限らないが、こうして我が家に来た本を挙げるならば例えば次のような
      ものがある。いずれも咽喉から手が出るほど欲しかった本だ。
       山口昌男 『本の神話学』
       グリオール『青い狐』
       西崎憲  『世界の果ての庭』
       小松和彦 『説話の宇宙』
       レヴィ=ストロース&中沢新一『サンタクロースの秘密』
       『江戸怪談集(上)』 etc.

 話は古本屋ばかりではない。新刊書店でも同じことがある。例えばちくま文庫とか中公文庫の中には、発行部数が少なくて街の大きな書店に行かないと手に入らない新刊も存在する。近所の郊外型書店にはもともと配本されてこないのだ。でもそんな本でも、仕事帰りにぶらりと立ち寄った(普段は行かない)本屋で、念のために覗いた棚にさりげなく置いてあったり。(最近では『「カルト宗教」取材したらこうだった』とか『松丸本舗主義』といった本がそのパターン。)
 気分良いよね、こういうのって。こういうことがたまにあると、家に積まれた本の山が多少増えようが、「また買おう」という気になる。(笑)
 しかし、これは果たして「活字の神様」が自分を好いてくれているのか、それとも「活字の悪魔」がせっかくの獲物を逃がすまいと企んでいるのか、はたしてどちらなんだろうか(^^;)。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
プロフィール

舞狂小鬼

Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

最新トラックバック
FC2カウンター
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR