メジャーとマイナー

 「メジャー」や「マイナー」といっても野球の話ではなく、もちろん本の話。毎年年末になると「今年のベストセラー・ランキング」なるものが発表されるが、これまでランクインしている本を読んでいた例(ためし)が殆どない。またそのリストを眺めていても、改めて「あ、これ読みたい」と思う本がない。これは自分に限った話ではなく、周囲にいる「筋金入り(笑)」の本好きの方には、どなたにも共通した傾向のようだ。
 それは何故かとつらつら考えてみるに、小さいころからの読書習慣に理由があるのではないだろうか。大人になった今でこそ読みたい本があれば好きなだけ買うことが出来る。(もちろん限度はあるが。/笑)しかし子供のころは少ない小遣いはお菓子へと消え、本を買えるのはお年玉をもらった時か、親戚のおじさんおばさんが遊びに来た時くらいしかない。したがって普段は自然と図書館を利用することになる。前にも書いたように、小中学校のうちは、学校の図書館で毎日借りて読み、その上、市立図書館にも毎週出かけては本を借りていたものだ。
 子供が本を選ぶときには、当然ながら「今流行っている本」などという情報は持ち合わせていない。友達と1冊の本について感想を言い合うこともない。ただひたすら自分が読みたいと思う本を読むだけだ。そうなると何を基準に本を選ぶかというと、頼りは「題名や表紙が面白そうなこと」しかない。すこし年齢が上がると「前に面白かった本の作者」や「面白かった叢書」に目が行くようになり命中率も多少上がるようになったが、いずれにせよ自分の感性を磨くしかない。
 そんな生活を大人になるまで続けていれば、「今売れているから」とか「世間で話題になっているから」という理由で本を選ぶ気がなくなる、というのもお分かりになるだろう。かくして世間の流行りとは無縁の「マイナー街道まっしぐら」の人間が出来上がり―というわけだ。(笑)
 しかし「判官びいき」というか「へそまがり」というか、要するにマイナー好きの兆候はすでに小学生のころからあった。小学校のクラスではテレビドラマ『猿の軍団』で盛り上がる級友をしり目に、ひとりだけ『宇宙戦艦ヤマト』を見ていたし(*)、中学時代には少年JUMPに連載中の『サーキットの狼』や『ドーベルマン刑事』が流行っていたころ、ひとり諸星大二郎の『暗黒神話』を読みふけっていたものだ。(笑)

   *…初回放送時は、松本零二のファンくらいしか観ていないマイナーな番組だったよう
     に記憶している。

 ただ、ベストセラーになった本をあとから読んだのでなく、自分が読んだ本が結果的にベストセラーになったという経験なら、無いこともない。赤瀬川原平『老人力』とか東野圭吾『探偵ガリレオ』、最近では三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』などがそうだ。
 自分が読むより先にベストセラーになってしまうと、先ほども述べたような天邪鬼な気風が頭をもたげてきて読む気が失せてしまうので致し方ない。それに過去に何度かベストセラーの本を手に取ったことはあるのだが、どうも自分の感性には合わない感じ。M・エンデ『はてしない物語』やル・グィン『ゲド戦記』などは大変面白く読めたので「ロングセラー」なら大丈夫そうなのだが、一時的なベストセラーには本の面白さとは別の要因が強く働いているよう。どうも信用がならない。おそらく「話題だから読む」という動機づけとは、一生無縁で過ごすことになるのだろうね。自分で選んだ本なら、もしも詰まらなかったとしても「騙された!」なんて腹を立てることなく諦めがつくだろうし。(笑)

<追記>
 しかし世の中よくしたもので、ここ最近ネットを活用するようになってから、読書を巡る環境が大きく変わってきた。こんな(マイナーなジャンルの本を好き勝手書いている)ブログでも、ご訪問いただける方は少しずつ増えてきているし、ツイッターでも自分と同レベル、いやそれ以上に本好きの方とお知り合いになることができつつある。そしてそんな皆さんから教えていただいた本は、かなりの確率で「アタリ」であることが多いのだ。ここ最近は仕事が忙しくなってきて、残念ながら本を読む時間が減ってしまっているにも関わらず、いやだからこそ余計に、自分にとって皆さんとのやりとりがこの上ない滋養になっているのを、より一層実感しているところ。いや本当に。(書いているうちに何だか変な話になってしまった。/笑)

 では最後に改めまして、いつもお越しいただき有難うございます。(^^)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こんばんは。
ベストセラーとロングセラーって、確かに似てるようで大きく違いますね!
諸星大二郎。笑
最近は読書に時間をもう少し割けないものか、悩みどころです...

慧さま

こんばんは。
本を読む時間が欲しいですよね、ホント…。

児童書などでは特に顕著ですが、
長く読み継がれる本はそれなりの理由があるんですね。
ただ、大人が読んで面白いかというと微妙なところがあって、
児童書には「旬」というものがある気がします。

だから活字オヤジとしては、
最近はちょっと古典に憧れたりもしてます。
なんせ究極のロングセラーですから。(笑)

No title

確かに、自分も
世間で、もてはやされている本に、あまり興味がわきませんね。

kappamama様

こんばんは。

子どもの頃は
「自分が面白かった本を周りに薦めて、皆で楽しさを共有する」
なんて夢を持ったこともあったのですけどねえ。

自分が愉しい本は誰もが愉しい―なんて幻想は、
とうの昔に捨ててしまいした(笑)。

そしてまた「逆も真なり」ですね(^^)。
最新記事
カテゴリ
プロフィール

舞狂小鬼

Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

最新トラックバック
FC2カウンター
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR