雑誌の思い出

 雑誌については「迷い」がある。昔から迷っていたし今でも迷っている。何をそんなに迷っているのかと言うと、読んでしまった雑誌の置き場と処分の仕方についてだ。本だったら買うか買わないか、又は(積読というのはあるにせよ/笑)読むか読まないかを、キッパリと割り切れる。でも、こと雑誌についてはダメだ、そうはいかない。
 その理由は自分でも分かっているのだ。自分の場合、何となくヒマつぶしに雑誌を買うという事はまずない。読みたい特集記事や連載がある場合に買うのが殆ど。しかし雑誌全体が読みたい記事で埋まっているわけじゃなし、何度も読み返すわけでもないので、読んだ後には結構な場所ふさぎになることが多い。――かといって本と違ってあとから買い直すことも難しいので、思いきって捨てることも出来ないのだ。(苦笑)
 月刊誌を定期購読などしてしまうともう大変。面白い号もあれば興味をそそらない号もあるのは当然だが、欠号になるのが嫌で読みたくもない月もつい買ってしまう。そうしてだんだん買う事が惰性になってしまうのだ。毎月着実に増えていく量(もしくは直実に減っていく棚の空きスペース/笑)が気になりだすと、あとは適当なところで打ち切って、段ボールに詰めて押し入れに仕舞いこむ破目になる。面倒くさいので雑誌を定期購読するのはもう止めようと考えたりもするのだけれど、また何年かすると読みたい雑誌がでてきて同じことの繰り返しに...。
 ほんと、他の方はどうされてるんだろうか。そのまま廃品回収に出して読み捨て? それとも目的のページだけを切り取ってあとは捨てる? 好きで買った雑誌だからさすがに読み捨ても気が引けるし、かといって本にハサミを入れるのも抵抗があって駄目なんだなあ。どうにも困ったものだ(^^;)
 自分の場合は、押し入れにいれて暫く放っておくと、処分するのに心理的な抵抗が減ってくるので、ほとぼりが冷めた頃におもむろに処分するというパターンが多いかなあ。
 とまあ、そんな思いをしながら読んできた雑誌だが、指折り数えてみるとそれでも意外と色んなのを買っていたので我ながら驚いた。中学生の頃に初めて買った雑誌から、主だったものを順に挙げてみよう。短いもので3年程度、長いものだと8年くらいは買い続けてたんじゃないかと思う。

 ■月刊短波
   中学校のときに凝っていた「BCL(海外短波放送聴取)」の専門雑誌。初めて月刊誌
   を買うという経験が、何だか大人になった気分で気持ち良かった。でも内容は中学生に
   は難しく、日本語放送の番組表や読者ページくらいしか読んでなかったような。(笑)
 ■SFマガジン
   言わずと知れたSF小説誌の老舗。中学3年の時に市立図書館で偶然見つけて嵌まった
   覚えが。世の中にこんな面白い専門誌があるのかと、毎月少ない小遣いをやりくりして
   買っていた。(特大号や増刊号はいつもより高いので余計に大変だった。)それこそ、
   隅から隅までなめるようにして読んでいたものだが、会社勤めをはじめてからは徐々に
   疎遠となってしまった。後で古本屋を回って買い集めたバックナンバー共々、今でも
   実家の押し入れに大事にしまってある。
 ■アニマ
   平凡社から出ていた動物の専門誌。動物写真が満載で眺めているだけでも愉しい。当時
   はまだ『田中角栄研究』などの社会的なルポや評論で有名だった立花隆氏が、日本の
   霊長類研究の専門家にインタビューする連載が毎号楽しみだった。(後に『サル学の
   現在』という題名で書籍化。)休刊になったときは悲しかったなあ。
 ■OMNI(オムニ)日本語版
   旺文社が出していたアメリカの科学雑誌OMNIの日本語版。ほぼ毎号掲載されるSF短篇
   が目当てで買っていたが、肝心の科学記事自体は他の科学雑誌に比べて、少し見劣り
   していたような気が。(失礼/笑)
 ■rock‘in on(ロッキング・オン)
   渋谷陽一によって創刊された洋楽専門誌。大学時代の友人の影響で洋楽を聴き始めて、
   本誌も購読を始めた。本誌はいつしか買うのをやめてしまったが、洋楽はいまだに趣味
   で聴いている。
 ■トランジスタ技術
   会社の仕事の関係で「自己啓発」のつもりで買い始めたが、はっきりいって面白いわけ
   じゃなかったなあ。紙面の半分以上を広告が占めるという、まるでゼクシィのような
   (笑)、重たい雑誌だった。
 ■本の雑誌
   活字好きなら一度は手に取ったことがあるのでは? ぱらぱらと紙面を眺めているだけ
   でも愉しいのだが、集め出すときりがないので思いきってやめた。
 ■怪
   日本初の妖怪専門誌。水木しげる、京極夏彦、荒俣宏、宮部みゆきといった豪華執筆陣
   による季刊誌で、どうせ数号で廃刊になり幻の雑誌となるだろうと思って買ってたら、
   なぜか人気が出てしまった(笑)。リニューアルして特集が「緩く」なり、版型も大き
   くなって本棚で揃わなくなったのを機に卒業。
   (京極夏彦が直木賞をとった『巷説百物語』のシリーズが連載されていたのは本誌。)

 これ以外にも、特集が面白ければその号だけ買っていた雑誌には、『レコード・コレクターズ』『ミステリマガジン』『サライ』など色々あり。おそらく実家を探せばまだ残ってるんじゃないだろうか。
 そんなわけで、ここ数年は雑誌を買う事も殆ど無くなっていたのだが、今年になって久しぶりに定期購読を申し込んでしまったのが、3月に新しく創刊された『ナイトランド』という季刊誌。(なんと今どき「幻視者のためのホラー&ダークファンタジー専門誌」なのだそうだ。怪奇幻想小説のファンとしては、なんとしても応援せねばなるまい。)
 これが最後の定期購読になるのか、それともまだこれから驚きをもって買い続ける雑誌が現れるのか、楽しみなようでちょっと怖いようで...。果たしてどうなることやら。

<追記>
 余談になるが、河出文庫から大森望氏の編集による『NOVA』という本が出版されている。書き下ろしSF小説のオリジナルアンソロジーだ。2012年3月現在で第7集を数える人気シリーズとなっているようだが、編集の仕方といい発刊のペースといい、実はこの本、「広告が載っていない小型の雑誌」と考えても良いのではないのだろうか?
 そしてそれと好対照なのが、前述の『ナイトランド』。こちらは若干のエッセイや連載小説も載ってはいるが、書籍であってもおかしくないほど特定のテーマに絞り込んだ内容になっている。(広告も殆ど載っていないし。)
 このふたつを比べてみて、市場のパイが小さい特定ジャンルの小説については、色々なアプローチの仕方があるのだということに気がついた。河出書房新社のような大手の会社であれば、雑誌の代わりに文庫で出すという手もある。また『ナイトランド』の出版元であるトライデントハウスのように小規模な出版社は、どれほど売れるか分からない書籍で出すより、「定期購読」という安定収入を得られる雑誌形態で出した方が良い場合もあるわけだ。書籍だと割り切ってしまえば、『ナイトランド』が店頭売りで1700円、年間購読でも1500円という高価な値付けになっているのも、一応納得がいく。
 総合雑誌や中間雑誌の凋落が叫ばれて久しいが、これからは万人向けの幕の内弁当のような雑誌でなく、『NOVA』や『ナイトランド』のように専門店のこだわり弁当のような雑誌がオンデマンドなどで増えてくるのかもしれない。むしろその方が出版業界も活気づいて良いかもね。
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こんにちは。

あぁ、よくわかります。
わたしも読み終わった雑誌の処理が気になるタイプですので。

スクラップとかに気を使うのが嫌になって買うのをやめた
経験があります。

最近は読みたいと思っていた記事だけ
図書館でコピーして家で読むようにしています。
スクラップはラクですが、コピーが面倒ですね。

コピーという手もありますねえ

kappamama様、こんにちは。

ご賛同頂けましてありがとうございます。

なるほど、コピーという手もありますねえ。
ページを切ってしまうのにどうも抵抗があるのですが、
コピーなら良いかな。
でも、カラーで残したい記事は、また悩みそう。
カラーコピー高いですから(^^;)。

雑誌の場合はいっそのこと、
電子書籍の方が場所を取らなくて良いですかねえ。

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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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