2012年1月の読了本

『ムーミン谷のひみつ』 冨原眞弓 ちくま文庫
  *トーベ・ヤンソン作のベストセラー「ムーミンシリーズ」の世界観や、作中に登場する
   個性的なキャラクター達を紹介した入門書。実を言えばムーミンの原作は今まで一冊も
   読んだことなかったのだ。アニメ版は子供の頃大好きだったんだけどね。大人も夢中に
   なるというその話とはどんなものなのか、雰囲気だけでも一度掴んでおきたいと思い
   読んでみた。(そんなまどろっこしい事しなくても、とっとと本物を読んでしまえば
   良いのにねえ。我ながら何だかヘン。/笑)
『都市と都市』 チャイナ・ミエヴィル ハヤカワ文庫
  *同じ場所にありながら、お互いに「存在しないもの」として振る舞うことを強制された
   2つの都市ペジャルとウル・コーマ。そしてそこで起こった殺人事件を追う捜査官。
   ―― 奇抜な設定で展開する読み応え抜群のミステリSF。
『火の神話学』 大塚信一 平凡社
  *数多くの書物を渉猟して、「火」にまつわる思想・文化・信仰などをひも解く異色の
   人類史。
『失踪入門』 吾妻ひでお 徳間文庫
  *知らない人のために本書の背景を書いておくと、著者はかつてカルトな人気を博した
   ギャグマンガ家。突如失踪して路上生活を経たのち、その体験を書いた『失踪日記』が
   2005年にベストセラーに。本書は精神科医・香山リカの実弟である中塚圭骸氏が、吾妻
   の失踪時の体験についてインタビューする本なのだが、すっかり立ち直った吾妻氏本人
   よりも、様々な精神疾患や不安症を抱えているインタビュアーの方がよっぽどアブナイ
   という、とても不思議で異色な本に仕上がっている。
『鳥はいまどこを飛ぶか』 山野浩一 創元SF文庫
  *日本に「ニューウェーブSF」の運動を展開した立役者による、長らく入手困難だった
   作品を集めた短篇集。(全2巻のうちの一巻目。)
『秘書綺譚』 ブラックウッド 光文社古典新訳文庫
  *幻想怪奇小説の大家アルジャーノン・ブラックウッドの傑作集。ジョン・サイレンスと
   ならぶ代表的なシリーズキャラである、ジム・ショートハウスを主人公とする4短篇が
   全て収録されているのが嬉しい。訳者の南条竹則氏が選りすぐった作品だけあって、
   どれもテンポよくて面白い。特に好みなのは「空家」「秘書綺譚」「転移」、そして
   「小鬼のコレクション」(笑)。
『たのしいムーミン一家』 トーベ・ヤンソン 講談社文庫
  *『ムーミン谷の秘密』を読んだら無性に原作が読みたくなって早速買ってきた。全部で
   8冊でている原作本の第1巻。話には聞いていたが昔のテレビ版とかなり違う。後の方
   にあるという、もっと暗めの話も読んでみたくなった。
『女の人生すごろく』 小倉千加子 ちくま文庫
  *上野千鶴子氏の盟友である心理学者の著者が、フェミニズムの観点から分析した日本人
   の女性の人生。お手軽な日本版の『第二の性』といった感じか。なんせ元本が出版され
   たのがバブル期なので、描写されている女性の価値観がいささか古くなっている感は
   否めないかも。(しかし歴史の1シーンとしてみれば、それはそれで興味深いものでは
   ある。)巻末対談の相手であるマンガ家・西原理恵子氏の半生が凄まじい。
『贈与の歴史学』 桜井英治 中公新書
  *「中世日本=未発達な市場経済」というこれまでの画一的なイメージを覆し、現代の
   市場経済と見紛うまでに“ドライ”な「贈与の経済」が存在したことを説明。第一線の
   研究者が自ら筆をとり、一般読者向けに書き下ろした刺激的な一冊。
『殺人者の空』 山野浩一 創元SF文庫
  *『鳥はいまどこを飛ぶか』に続く、ニューウェーブSFの第一人者の短篇集第2弾。
   好きな作品は「メシメリ街道」「Tと失踪者たち」「殺人者の空」「内宇宙の銀河」
   あたりか。特に表題作と「内宇宙…」が好みだった。
『貧乏サヴァラン』 森茉莉 ちくま文庫
  *著者はかの有名な明治の文豪・森鴎外の長女。とんでもなく甘やかされて育ったが故、
   長じて自他共に認める「社会生活不適合者」になってしまった著者が、自らの生い立ち
   と日常生活をつづったエッセイ。(とはいっても嫌みな感じはない。)ちなみに一人の
   「キャラ」としてみた場合は極めて秀逸。最後まで愉しく読めた。
『アジアの旅人』 下川裕治 講談社文庫
  *元祖「貧乏旅行ライター」の東南アジア紀行。取り上げられる国や地域はラオス/ベト
   ナム/タイ/バリ島などで、内容は面白おかしい話ばかりじゃない。そこに暮らす人々
   の厳しい生活や、日本からドロップアウトした人々の様子なども赤裸々に。ツアー旅行
   では絶対に味わう事の出来ない“素”のアジアが興味深い。
『アイヌの物語世界』 中川裕 平凡社ライブラリー
  *アイヌ民族に伝わる口承文芸に関する入門的な解説書。
『長靴をはいた猫』 シャルル・ペロー 河出文庫
  *改めて説明するまでもない有名な童話だが、これはとても贅沢な作りの本だ。(なんせ
   澁澤龍彦が訳して片山健が挿絵を担当。)子供向けにリライトされたものではなく、
   ペローの原作をそのまま翻訳しているので、全体的にかなりビターな味わい。ちなみに
   表題作の正式な原題は「猫の親方あるいは長靴をはいた猫」だし、シンデレラの元の
   題名は「サンドリヨンあるいは小さなガラスの上靴」というらしい。初めて知った。
   他にも「赤頭巾ちゃん」や「眠れる森の美女」「青髭」など、全部で9篇を収録。
『迷信博覧会』 種村季弘 ちくま文庫
  *異色の独文学者による肩の凝らないエッセイで、各種「迷信」を集めた面白カタログ。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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