『ソモフの妖怪物語』 O・M・ソモフ 群像社

 19世紀初頭にロシアで活躍した文学者により書かれた、自身の故郷であるウクライナ地方に伝わるフォークロア集。ちょっと怖くてちょっと不思議な話が満載。
 少し例を挙げてみると――
たとえばウクライナの首都キエフの大門へと、遠路はるばる帰還した英雄を襲う邪悪な水の精「ルサールカ」。 あるいは暗い森の奥に潜む「バーバ・ヤーガ(*)」や、座敷童子とポルターガイストを一緒くたにしたようなお化け「キキモラ」。それに「はげ山」で月に一度サバトを行う魔女たちなど。まるでムソルグスキーの『展覧会の絵』や『はげ山の一夜』そっくりの世界が繰り広げられる。

   *…ロシアの民話に出てくる妖婆。

 日本でならさしずめ「御伽婢子/おとぎぼうこ」(岩波文庫『江戸怪談集』に収録)に似たものともいえるが、こちらはさすが文学者の手によるものだけあって、語り口ひとつにも技巧が凝らしてありなかなか読ませてくれる。価格が1,000円というのも群像社の本としてはちょっと考えられないくらい安いし、ちょっと変わった話が好きな人なら読んで損はしないと思う。
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バーバ・ヤーガ

クラシックは詳しくないのですが、展覧会の絵は好きでよく聴きます。バーバ・ヤーガのところがゴジラのテーマみたいで禍々しくて特にイイんですよね。民話の方もよんでみようかなあ。

コメントありがとうございます

さあのうずさん、こんにちは。ご訪問とコメントをありがとうございます。

実は正確に言うと本編のなかには「バーバ・ヤーガ」という名前はでてこないんです。(前書きにはでてきます。)多分コレがそうだろうなー、という感じで書いてしまいました。ほかには「妖婆」にあたるのはいないので間違いはないと思いますが(汗)。

「黒塚(安達が原)」の鬼婆みたいでおそろしいです(笑)。

スラブの民話は初めて読んだんですが、今までとはまた違った独特の雰囲気で愉しめましたw。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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