『砂の本』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 集英社文庫

 何故だか知らないが、ボルヘスはどうも読みづらい。(話は面白いのだがその割に読み終わるのに時間がかかる。)本書を読みながらその理由を考えていたのだが、おそらく短い文章の中に人物名や地名などの固有名詞がやたらと多く詰め込まれているではないか?ということに気が付いた。それに輪を掛けているのが、ラテン系の名前に馴染みが薄いということ。聞いたことのない片仮名を数多く読んでいるうちに、土地の名か人の名かよく分からなくなってくるのだ。(笑)
 その結果、徐々に混乱してきて「これは誰だったっけ?」とか思いつつ、何度も前のページを開いて確認する羽目になるというわけ。でも登場人物に馴染みが無いのは南米の作家全般に言えることだし、徐々に慣れていくしか仕方ないのだろうなあ。

 本書の前半には幻想的な物語を集めた『砂の本』を収録し、後半には歴史上の有名な「悪人」を紹介したノンフィクション『汚辱の世界史』を併録している。『砂の本』の作品で気に入ったのは「会議」(“世界会議”なるものの思い出)、「人智の思い及ばぬこと」(怪奇作家ラブクラフトへのオマージュ)、「円盤」(オーディンの円盤と樵の話)、そして表題作の「砂の本」(二度と同じページが現れない不思議な本)の4作品。
 余談だが、『汚辱の世界史』には日本代表として吉良上野介が登場している。(こちらはすらすらと読めるので、先程の理屈はやはり正しいような気が。/笑)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

おじゃまします。そうなんですよ!ボルヘス時間がかかる!固有名詞、なるほどです~。砂の本はボルヘス2冊目なんですが、もう3年くらいになる・・・・(笑)

こんにちは

さあのうずさん こんにちは! コメントありがとうございます。
同意いただけてうれしいです。(笑)

私も『伝奇集』など数冊しか読んでないのですが、一冊読むと疲れてしまって、次に取り掛かるのにすこし躊躇しちゃうのがその理由かと。
最新記事
カテゴリ
プロフィール

舞狂小鬼

Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

最新トラックバック
FC2カウンター
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR