2011年6月の読了本

『中世の再発見』 網野善彦/阿部謹也 平凡社ライブラリー
  *中世日本および中世ヨーロッパの研究者2人による対談集。
『食の王様』 開高健 グルメ文庫
  *“食”をテーマにした開高健のエッセイを集めたオリジナル短篇集。『巷の美食家』と
   合わせて角川春樹事務所が発行。
『白鯨(上・中・下)』 メルヴィル 岩波文庫
  *現在出版されている『白鯨』のなかでは最も良いと言われる八木俊雄の訳。高校時代に
   挫折して以来の、長年の雪辱をやっと果たした。(笑)
『胡蝶の失くし物』 仁木英之 新潮文庫
  *日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『僕僕先生』のシリーズ第3弾。
『女子の古本屋』 岡崎武志 ちくま文庫
  *女性の古書店主13人を対象にしたインタビュー集。こだわりをもった店構えがどれも
   素晴らしい。
『パイド・パイパー』 ネビル・シュート 創元推理文庫
  *『渚にて』で知られる著者の、第2次世界大戦を舞台にした冒険小説。ひょんなことから
   子供たちを連れて、ドイツ侵略下のフランスからイギリスへと逃避行をする羽目になった
   英国の老紳士が何とも好い。小学生の頃に『ハリーとトント』を読んで以来、高潔な
   老人が主人公の話は好みなので、本書は大変気に入った。
   (ちなみに題名の「パイド・パイパー」とはハーメルンの笛吹き男のこと。)
『奇妙なホラー映画論』 荒木飛呂彦 集英社新書
  *正確な書名は『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』という。『ジョジョの奇妙な冒険』
   や『バオー来訪者』で一部読者に絶大な人気を誇る漫画家が、お気に入りのホラー映画
   を紹介するという“いかにも”な企画。しかもそれにまんまと乗せられている自分が
   情けないが、面白いものは仕方がない。(笑)
『エピクロスの肋骨』 澁澤龍彦 福武文庫
  *『犬狼都市』や『サド復活』といった初期作品よりさらに前、1955~57年という最初期
   に書かれた著者の作品集。「撲滅の賦」「エピクロスの肋骨」「錬金術的コント」の
   3つの短篇に、巌谷國士による長文の解説を付す。極めて硬質なイメージのファンタジー
   が展開する。
『魔法昔話の研究』 ウラジミール・プロップ 講談社学術文庫
  *ロシア(というより時代を考えると“旧ソ連”と言った方がぴったりくる?)で活躍した
   民俗学系の研究者による、昔話の構造分析。お国柄や時代背景を考えると致し方ない
   ところではあるが、やはりどうしても論旨に牽強付会な感は否めない。(石田英一郎を
   読んだ時に感じた印象にも少し似ているかな。)
『天体嗜好症』 稲垣足穂 河出文庫
  *フィクションやエッセイなどを取り混ぜた小文集。テーマは天体だけに絞られていると
   いうわけではなく、ヒコーキや少年愛など著者の読者にはお馴染みの題材がひととおり
   取り上げられている。
『天使の歩廊』 中村弦 新潮文庫
  *「この世」と「あの世」の懸け橋となる不思議な物件を手掛ける建築家・笠井泉二の
   生涯を描いた連作短篇集。「建築」そのものをテーマにしたファンタジーというのは
   珍しかったが、愉しく読むことが出来た。作品ごとに語り手が変わって視点が一貫して
   いないので、最初のうちは少し取っつき難いが、読んでいくうちに次第に慣れてくる。
    ところで(主人公が設計した)住宅によって「救い」を得られた依頼主たちはいいと
   して、“天使たち”によって有無を言わさずそのような仕事を行う人物として「選ばれて
   しまった」笠井自身には、果たして救いはあるのだろうか? もしも本書の続篇が書かれ
   るとしたら、次はそのあたりがテーマになる(&ならなければいけない)気がする。
『日本妖怪変化史』 江馬務 中公文庫
  *古代から江戸時代に至る、妖怪に関する伝承や特徴を簡潔にまとめた本で、妖怪学の基本
   文献といえる。(なお書名は「ようかい(の)へんか史」ではなく「ようかいへんげ
   (の)史」と読むのが正しい。)
『ダールグレンⅠ』 サミュエル・R・ディレイニー 国書刊行会
  *長年にわたり翻訳が待ち望まれていた、アメリカンニューウェーブSF最大の傑作であり
   最大の問題作。(単行本全2巻で約1000ページもある超大作のうちの第1巻)
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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