2011年3月の読了本

 今月は中止になった出張が多くて、思ったより本の数が少なかった。

『パリからの紅茶の話』 戸塚真弓 中公文庫
  *フランス在住の著者によるエッセイ。フランス人はコーヒーをこよなく愛しているが
   紅茶にはなぜか冷たい。そんなフランスで紅茶好きな人物が巡らす紅茶考。
   例えば『失われた時を求めて』の「紅茶をマドレーヌに浸すシーン」を真似たがあまり
   美味しくなかったとか、オモシロ話がいっぱい。
『江戸の音』 田中優子 河出文庫
  *『江戸の想像力』(ちくま学芸文庫)の続篇。江戸時代の楽器や謡など“音”について
   語っている。
『釈尊の生涯』 中村元 平凡社ライブラリー
  *後代による脚色をできるだけ排して、ゴータマ・ブッダのリアルな生涯をあぶり出そうと
   した労作。
『江戸怪異草子』 浅井了意/富士正晴 河出文庫
  *中国の怪奇小説の舞台を題材にとり、本邦に移した江戸時代のベストセラー『伽婢子
   (おとぎぼうこ)』と『狗張子(いぬはりこ)』。その中から幾つかを選んで現代語に
   直した読み物集。
『乙女しじみの味』 出久根達郎 新人物文庫
  *古本屋のオヤジにして直木賞作家の著者によるエッセイ集。淡々と語られる日常生活が
   しみじみ好い。
『「子供の目」からの発想』 河合隼雄 講談社+α文庫
  *ユング派心理学者の著者による「児童文学」のブックガイド。
『不均衡進化論』 古澤満 筑摩選書
  *書名にある「不均衡進化論」とは、長年議論の的になってきたダーウィニズムの問題点を
   解決できるであろうおそらく最良の説。それを研究者自らが一般向けに紹介した解説書。
   面白い!
『千年紀の民』 J・G・バラード 東京創元社
  *バラードの最新作にして無差別テロをテーマにした傑作。「バラードの到達点」という
   惹句もあながち大げさでは無くて、まるで『クラッシュ』以降のバラード作品の集大成の
   ような風格さえ漂わせる。未訳はあと1作しか残されていないので寂しいなあ。
『ストリートの思想』 毛利嘉孝 NHKブックス
  *最近なって見えてきた新しい“社会現象”について、その起源から解き明かした解説書。
『江戸怪談集(中)』 高田衛 岩波文庫
  *江戸時代の怪談話を精選した傑作集(全3冊)。
   本書には『曽呂利物語(そろりものがたり)』『片仮名本・因果物語』『伽婢子』の3作
   から厳選して収録。
『流れる星は生きている』 藤原てい 中公文庫
  *作家・新田次郎が誕生するきっかけとなった、新田の妻によるノンフィクション。満州で
   敗戦を迎えた著者が、たった一人で3人の幼い子供をつれて日本に辿りつくまでの、地獄
   のような道のりを描く。胸が痛む描写が延々と続くが、そんな中でも何としても生き抜こ
   うとする彼女の強い意志に心打たれる。読むのが辛い本ではあるのだけれど、読後には
   却って勇気づけられる。(これ程までに酷い時代を乗り越えてこれたのだから、今回の
   震災もきっと…という気がして。)
『暴いておやりよドルバッキー』 大槻ケンヂ 角川文庫
  *相変わらずサクサク読める気楽なエッセイ。いつもよりは脱力度が控えめだが、さすがの
   オーケンも不惑を迎えて多少は落ち着いてきたかな? 筋肉少女帯の再結成のくだりは
   ちょっとばかり感動ものだった。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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