2010年12月の読了本

『書店はタイムマシーン』 桜庭一樹 創元ライブラリー
  *驚異的な読書力を誇る作家・桜庭一樹の読書日記(第2弾)。本書を読んでいると、
   自分も何だか無性に何か小説が読みたくなってくる。
『酒にまじわれば』 なぎら健壱 文春文庫
  *無類の酒好きで知られる著者が体験した、酒にまつわる珍談・奇談・失敗談をつづった
   エッセイ。なぎら健壱ってテレビで見ると「昔の幇間(たいこもち)は、こんな感じ
   だったのかなー」と思っていたが、文章を読むと益々その感を強くした。いかにも関東
   の芸人という雰囲気。
『おにぎりの丸かじり』 東海林さだお 文春文庫
  *丸かじりシリーズの3カ月連続刊行もとうとう最後。東海林さだおの食エッセイは
   大別すると次のようなパターンがある。①店の食べ歩きルポ、②食材を印象によって別
   の物に見立てたもの、そして③色んなメニューや調理方法に挑戦する実験ものの3つ。
   どれも面白いんだけど自分のお気に入りは特に③の実験もの。今回も「どんぶり一杯の
   白飯を何もオカズ無しで食べたらどうなるか?」などのおバカ且つ面白い実験に挑戦
   している。このレベルの面白さを数十年続けているというのはホントに凄い。
『20世紀イメージ考古学』 伊藤俊治 朝日新聞社
  *20世紀の各年代を代表するイメージ(キーワード)を写真付きで紹介する労作。
   20世紀はこんな時代だったのか…というのが一目でわかる。
『秘密結社』 綾部恒雄 講談社学術文庫
  *世界各地に古くから伝わる「秘密結社」について人類学的な観点から分析した研究書。
『NOVA3』
  *大森望・責任編集の書き下ろしSFアンソロジー。編者の人脈で東浩紀や瀬名秀明、
   円城塔ら豪華執筆陣が入れ替わり参加しており、好評に付き3冊目が上梓された。
   今回は面白いのが多かったが、中から特に個人的な好みを選ぶとすれば、小川一水
   「ろーどそうるず」/谷甲州「メデューサ複合体」/瀬名秀明「希望」あたりかな。
『職業としての政治』 マックス・ヴェーバー 岩波文庫
  *20世紀を代表する社会学者の記念碑的な講演記録。第1次大戦後のドイツで行われた
   講演だが、今の時代にこそ読み継がれるべき。
『本は、これから』 池澤夏樹/編 岩波新書
  *電子書籍の登場で大きな転換期を迎えた「書籍」と「出版産業」と「読書」。作家や
   編集者や古書および新刊書店の経営者など、「本」に携わる各界の人達に対して「本は
   これからどうなるか」について語ってもらったテーマエッセイ。書く/作る/読むなど
   様々な角度から語られた、40名近くの論客による「本」についての思いが並ぶ様は
   まさに圧巻。
『千のプラトー(上)』 ドゥルーズ/ガタリ 河出文庫
  *30年ほど前に日本の思想界を席巻したフランス現代思想を代表する著作が満を持して
   遂に文庫化。覚悟して読み始めたが歯ごたえは充分。じっくりと腰を据えて残りの2冊
   も読んでいこう。
『スティーヴ・フィーヴァー』 山岸真/編 ハヤカワ文庫
  *「ポストヒューマンSF傑作選」と銘打たれた海外作家のアンソロジー。
『風眼抄』 山田風太郎 角川文庫
  *忍法帳シリーズや明治物、推理小説などで有名な風太郎のエッセイ。晩年のものは死を
   題材にしたものが多くちょっと敬遠気味だが、これはよかった。中公文庫版では読んで
   いなくて、角川文庫で再刊されたのを本屋で見て衝動買いしてしまったのだが、結果と
   しては大正解だった。
『キリストと聖骸布』 ガエタノ・コンプリ 文庫ぎんが堂
  *十字架に架けられたキリストの遺体を包んだとされ、表面にキリストの姿が浮かんで
   見える不思議な聖遺物「聖骸布」。日本に在住するキリスト教の聖職者である著者が、
   世界における過去からの研究成果について予断を交えず紹介した本。
『水妖記』 フーケー 岩波文庫
  *ホフマンと並び称されるドイツ・ロマン派の代表的な作家。中世ヨーロッパを舞台に、
   水の妖精ウンディーネと騎士フルトブラントの恋と破局を描く。題名に惹かれてこれも
   衝動買いしてしまったが、こちらも大正解。(今のところ打率高い。/笑) 
   それにしてもいい話だなあ。
『乱歩と東京』 松山厳 ちくま学芸文庫
  *1920年代(大正期)の東京と、同時期に書かれた江戸川乱歩の諸作品をお互いに
   参照させながら解読した本。同じ手法は後の著作『群衆』でも取り入れられている。
『晩夏に捧ぐ』 大崎梢 創元推理文庫
  *駅前の新刊書店でおこる"日常の謎“を、探偵役の書店員が解決するミステリシリーズの
   第2弾。
『バガヴァッド・ギーター』 岩波文庫
  *古代インドを代表する叙事詩『マハーバーラタ』の中で最も有名な部分。思想書として
   も読めるため、古来多くの人々に愛唱されてきた。題名は「神の歌」の意味。
『旅行者の朝食』 米原万里 文春文庫
  *ロシア語の元同時通訳者である著者の、食べ物に関する文章だけを集めたエッセイ集。
『日本語のしゃれ』 鈴木棠三 講談社学術文庫
  *日本において「しゃれ」に代表される言葉遊びに関して、その概念や歴史を多くの文献
   からひも解いた労作。なお著者の名前は「とうぞう」と読む。
『サイン会はいかが』 大崎梢 創元推理文庫
  *『配達赤ずきん』『晩夏に捧ぐ』につづく書店ミステリの第3弾。結局今年は本屋を
   舞台にしたミステリで締めくくりとなった。このシリーズ、著者には申し訳ないが
   「ミステリ」としてよりも、気持ちのいい書店員がいる理想的な新刊書店の物語として
   愉しませてもらっている。願わくばこのシリーズがまだまだ続くことを祈って、気分
   良く今年を終わろう。
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サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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