2010年10月の読了本

『インフレーション宇宙論』 佐藤勝彦 講談社ブルーバックス
  *現在の宇宙科学のパラダイムになっている「インフレーション理論」の提唱者が書いた、
   最新宇宙論の入門書。
『書物狩人』 赤城毅 講談社ノベルズ
  *一風変わったミステリ。歴史の闇に埋もれ、表には決して出てこない稀覯本がテーマ。
『東京ミキサー計画』 赤瀬川源平 ちくま文庫
  *超芸術トマソンや路上観察などで有名な赤瀬川源平が、若かりし頃の思い出を語った本
   だが、これがべらぼうに面白い。ハプニング芸術が盛んだった時代の、芸術家たちの
   熱気あふれる様子が生き生きと伝わってくる。有名な「千円札裁判」に至った経緯や
   裁判の様子なども今となっては貴重な記録だろう。
『すすれ!麺の甲子園』 椎名誠 新潮文庫
  *全国の代表的な麺類を全て食べつくして日本一を決定しようという、シーナ流の
   “脱力系”食べ歩き紀行。麺類好きからするとこういう企画本は何ともバカバカしく
   って好いが、流石にこれだけのボリュームが全て麺に関する話だと、正直いって途中で
   すこし飽きてくる。(笑)
   旨いものは「旨い」不味いものは「不味い」と(店の実名を出して)感想を述べるのが
   清々しくて良いと思う人と、自分のお気に入りをけなされてムカッとくる人とで、
   この本の評価は真っ二つに分かれそうだな。納得できる意見も結構多いけどね。
   ラーメン激戦区である関東で、行列ができる有名ラーメン店について述べたくだりなど、
   他の人はどんな感想もつかな? 個人的には「気に入らないなら書かなきゃいいじゃん」
   と思うけど。好きな人が読んだら不愉快になるだけだし。
『異端者たちの中世ヨーロッパ』 小田内隆 NHKブックス
  *カタリ派など中世ヨーロッパにおける代表的な異端信仰についての研究。
『泥棒日記』 ジャン・ジュネ 新潮文庫
  *フランスの有名な“泥棒作家”による、「泥棒/同性愛(男色)/裏切り」をテーマに
   書かれた自伝的小説。
『パイナップルの丸かじり』 東海林さだお 文春文庫
  *まいどお馴染みの食エッセイ。文庫版は単行本にはない特典として解説が載っているが、
   今回はマンガ家・吉田戦車だったのでさらに得した気分。「ほぼ日刊イトイ新聞」の
   サイトで連載していた「吉田戦車の逃避メシ」の裏話が載っていたのは嬉しい。
『寛永無明剣』 光瀬龍 ハルキ文庫
  *江戸寛永年間を舞台にタイムパトロールが活躍する著者お得意の歴史モノ。
   うろ覚えでジュブナイルだと思っていたら、いやはやとんでもない間違いだった。
   大人向けの立派な伝奇小説です。(笑)
『珠玉』 開高健 文春文庫
  *開高健の遺作となった短篇集。宝石を題材にした3つの作品からなる。
『アポトーシスの科学』 山田武/大山ハルミ 講談社ブルーバックス
  *予め細胞にプログラミングされた“死”である「アポトーシス(細胞自滅)」の
   メカニズムについて書いた一般向け科学書。
『生物から見た世界』 ユクスキュル/クリサート 岩波文庫
  *客観的な唯一の「世界」というものはなく、生物にはそれぞれ固有の独自世界がある
   ということを、豊富な事例で紹介した古典的名著。
『怪人対名探偵』 芦部拓 講談社ノベルズ
  *江戸川乱歩の“通俗もの”へのオマージュとして書かれたミステリ。
   「本格」と銘打たれているが、ある種の「叙述トリック」に近いと思う。
『エロス的人間』 澁澤龍彦 中公文庫
  *澁澤自らが、60年代後半に書いたエロティシズム関連の文章を取捨選択した、
   ワンテーマのエッセイ集。
『読書会』 山田正紀/恩田陸 徳間文庫
  *2人の人気作家による対談集だが、やっているのは文字通りの「読書会」。古今東西の
   SF/ファンタジー系の小説(一部マンガ)を題材にしているが、今の人はどの程度
   読んでるんだろうね? 恩田陸のファンが読んだらさっぱり分からなくて「損した」
   と思うんじゃなかろうか、ちょっと心配。
   ところで余談だが、98ページで山田正紀が題名を思い出せなかったSF短篇は、
   ちょうどこの前『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』に収録された「旅人の憩い」
   (ディビッド・I・マッスン)にきっと違いない。
『トランスクリティーク』 柄谷行人 岩波現代文庫
  *カントの超越論的方法論を用いて、『資本論』を始めとするマルクスの思想を蘇らせる
   壮大な試み。
『夜と陽炎/耳の物語**』 開高健 新潮文庫
  *開高の青年時代を描いた『青い月曜日』と同様の自伝的小説で、日本文学大賞を受賞。
   子供時代から青年時代を描いた第1部『破れた繭』と、学生結婚してから執筆当時までを
   描いた第2部の本書からなる。新潮文庫版では2分冊だったが、現在は文庫ぎんが堂から
   合本になったものが出されている。書かれている内容(エピソード)は、今までの
   開高作品で取り上げられていたお馴染みのものが殆どだが、裏話的な愉しみ方もできる。
『新訳聖書Ⅰ』 文春新書
  *新書版で初めて出された新約聖書で解説は佐藤優。全2巻のうちの1巻目で、本書には
   イエスの言行録であり、キリスト教の正典でもあるマタイ/マルコ/ルカ/ヨハネの
   4福音書を収録。(Ⅱには使徒の言行録などを収録の予定。)
『砂漠の反乱』 T・E・ロレンス 角川文庫
  *“アラビアのロレンス”によって書かれた回想記『知恵の七柱』の簡略版。第1次世界
   大戦におけるトルコからのアラブの独立戦争を、それを支援するイギリス将校の立場
   から描いたもの。『知恵の七柱』では自身の思想についても多くのページが割かれている
   ようだが、本書では思い切って事実関係だけに絞り、ダマスカス陥落までが描かれる。
   一応は映画『アラビアのロレンス』の”原作”にあたるのかな?
『奇蹟の次元』 ロバート・シェクリィ ハヤカワSFシリーズ
  *『人間の手がまだ触れない』『不死販売株式会社』などの作品で知られる(といっても
   今では完全に忘れられてしまった)作家、シェクリィの長篇作品。F・ブラウンや
   星新一にも通じる軽妙さと洗練された雰囲気が割と好きな作家なんだけどな。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
プロフィール

舞狂小鬼

Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

最新トラックバック
FC2カウンター
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR