近況報告

 なかなかブログの更新ができずに申し訳ありません。代わりにここらで近況の報告をいたします。

 現在、母親が認知症、父親が進行性核上性麻痺という病気でともに要介護状態となっており、今年に入ってから兄夫婦とともにその対応に追われています。やっと介護認定やケアマネージャーとの契約を経てデイサービスなどの処理も終わり、あとは精密検査とその結果に基づく将来の生活プランを考えるところまでこぎ着けました。
 しかしやっとひと山越えたと思った矢先、つい先日、母親が自宅の二階に洗濯物を干そうとして転んで右手を骨折してしまい、慌ててショートステイやら掃除洗濯のヘルパー手配やら、ばたばたとこなしているのが今の状況です。

 朝起きて食事を摂って会社に向かう。仕事を終えて帰宅して、風呂に入って夕食をとる。また、好きな本を読んで本について語り、そして次に読む本を買う。こんな当たり前のことが実はかけがえのないことだというのが、年老いた親を看ているとわかります。そして本を読むことが自分にとってどれだけ生きる力を与えてくれるものかということも。

 まだしばらくの間は、なかなかブログを更新する時間が取れないかも知れませんが、このブログはずっと続けていくつもりですので、今後とも末永くお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 私は元気です。

                                     店主敬白
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近況報告

 「お気らく活字生活」をいつもご訪問いただきありがとうございます。当ブログの管理人であります舞狂小鬼です。このところ公私ともども大変忙しくなり、ろくろく本もまともに読めない状態が続いております。

 7月が過ぎれば若干はおさまるかと思いますが、それまでは不規則な更新になります事をご承知おきいただけたらと存じます。皆さまに面白い本とのますますの新たな出会いがありますように。

 それではまたお会いいたしましょう。

店主敬白

叢書を編む

 以前、アンソロジーについての記事をブログに書いたことがある。(「アンソロジーについて(その2)」/2014.06.22)本好きな人ならば、きっと自分のお気に入りの作品ばかりで編んだアンソロジーを夢想したことがあるのではないだろうか。好きな短篇の著者と作品名をずらりと並べたリストが出来たら、眺めているだけで愉しくなる。ただし翻訳物のアンソロジーの場合は、ちょっと難易度が上がるかもしれない。
 まず世の中に既に出ている本が、訳者などによってセレクトされたものであるケースが多い。そのため自分で全く新しいアンソロジーを編もうとすれば既にある本の二番煎じになるか、それが嫌なら自分で原書から未訳作品を選ばなくてはならないわけだ。(英語圏以外のものではまず不可能。昔の雑誌に掲載されたきりで埋もれている短篇を集めるという手もあるが、古い雑誌を探すのもまた一苦労だ。)そんなわけで、時間/資金/語学能力のいずれも充分とは言えない自分のような人間にとっては、自作アンソロジーを考えるのは結構ハードルが高かったりするのだ。
 だからとりあえず試すとすれば、国内作家のアンソロジーということになる。しかしこれがまた悩ましいのだ。好きな作家の短篇を集めてこようにも、思い入れのある作家の場合は、どの作品も好き過ぎて選ぶことなんて出来やしない。また星新一氏のように多作家の人ならともかく、短篇はあまり書いていない作家だってたくさんいる。(いわゆる長篇型というやつ。)自分の好きな作家が選べるほどたくさんの短篇を書いていないからといって、色んな作家の作品から数作ずつ選んで集めたごった煮のようなのもちょっと中途半端で面白味が減るし......。
 というわけでその時ひらめいたのが、ホルヘ・ルイス・ボルヘス(*)編の『バベルの図書館』という叢書。(ふう、前置きが長かったが、やっと今回の題名につながった。)

   *…海外小説や幻想小説のファンでなければご存じないかも知れないが、
      アルゼンチン出身のそういう作家さんがいるのです。

 元々この「バベルの図書館」というのは、彼が書いた同名の短篇小説にでてくる架空の施設のこと。これまでに書かれたあらゆる本とこれから書かれるあらゆる本を収蔵しているとされる、まさに本好きの夢のような図書館だ。ボルヘスはその後この短篇と同じ名前をつけた叢書を編纂することになるのだが、これは古今東西の幻想小説を作家別に集めたアンソロジーで、収録作家はカフカやE・A・ポーといった大御所からアラルコンやヒントンといった聞いたことの無い作家まで幅広く、全て揃えるとなんと40巻にもなる。
先ほどひらめいたのは、自分もこれを真似てアンソロジーではなく既にある作家の短篇集をひとつの巻とした叢書であれば、割と簡単に編めるのではないかということだ。それからはお気に入りの短篇集に出会うたび、個人的な「幻想と怪奇のマスターピース」のリストに加えていくことにした。
 というわけで、今からご紹介するのはオリジナル叢書のためにこれまでに集めた収録作品のリスト。これからもまだ増えていくと思うが、とりあえずは現時点までの中間報告ということでご承知おきいただけると幸いである。

<幻想と怪奇のマスターピース短篇集(国内篇)>
 1)『完本 酔郷譚』  倉橋由美子 河出文庫
 2)『青蛙堂鬼談』   岡本綺堂  中公文庫
 3)『高丘親王航海記』 澁澤龍彦  河出文庫
 4)『ラピスラズリ』  山尾悠子  ちくま文庫
 5)『家守奇譚』    梨木香歩  新潮文庫
 6)『一千一秒物語』  稲垣足穂  ちくま文庫
 7)『あめだま』    田辺青蛙  青土社

 こうして並べてみると、自分の嗜好が割と静かなタイプの幻想小説であることが解って面白い。なお一応はひとり一作品という原則で選んであるが、好きな順に並べてあるわけではなく、あとから思いついたものを増やしているだけなのでリスト自体は順不同。各順位のいちばん後ろに書いてある文庫や出版社名も、現時点で入手しやすそうなのを記載しただけで他意はない。古い本だとこれまでに別の形で出版されていることもあるため、必ずしもこの文庫でなくても読めれば別にどんな版だって構わないと個人的には思う。
 とはいうものの少し悩むのは、『一千一秒物語』の扱い。今回はちくま文庫版を選んでみたが、収録作が新潮文庫版では全く違うのでそちらも面白いし、さらに河出文庫の『ヰタ・マキニカリス〈1〉』に特別収録されているので、「一千一秒物語」+『ヰタ・マキニカリス』をセットで愉しむという手もある。
 この<幻想と怪奇のマスターピース>というリストについては、これからも少しずつ増やしていって最終的には10冊ぐらいまで増やしたいと思っている。少しずつ増えていくのが愉しいのだ。また今後は、好きな海外作家の短篇集もしくは長篇で編んだ叢書も挑戦してみたい。どんなテーマで選ぶかはまだ考えていないが、この「オリジナル叢書」というアイデアは遊びのネタとしてこれからも色々と使えそうだ。

震災と随筆

 4月14日の夜を皮切りに熊本地方を次々襲った地震は甚大な被害をもたらしている。大きな余震がまだ続いていて状況は予断を許さず、避難所にいらっしゃる方々の心労もいかばかりかと思う。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々が一日でも早く元の生活に戻れることを心から願ってやまない。

 ところで今回の地震でも、東日本大震災のときのようにツイッターを始めとするSNSが情報のライフラインとして活躍したようだ。一部には悪質なデマやこの機に乗じたヘイトなどもあったが、いち早く指摘して非難・無効化する動きもあり、被災地以外の人たちもただいたずらに騒ぐのでなく自分達に出来ることをしようと声を掛け合うなど、以前の震災の教訓がうまく活かされているように感じた。
 さて話は変わるがこういった都市型の震災として頭に浮かぶものとして、古くは大正12年に東京を襲った関東大震災がある。そして東日本大震災のあと、関東大震災に関する本がいくつか出ていたのを今回の件で思い出した。まずひとつめは物理学者にして夏目漱石の弟子だった寺田寅彦による随筆が二冊。『天災と日本人』(角川ソフィア文庫)と『地震雑感/津浪と人間』(中公文庫)というものだ。それぞれ随筆選とか随筆選集といった副題が付けられており、災害をテーマにした文章ばかりを集めたものになっている。寺田寅彦は随筆の名手で沢山の文章が残されているので、このようにひとつのテーマにしぼった本も編めるということなのだろう。自分は寡聞にしてこの二冊しか知らないのだが、他にも同じ著者で自然災害について書かれた文章を収録した本があるかもしれない。(おそらく全集には皆入っているのかな?)
 そしてもうひとつは、自分が大好きな泉鏡花の『おばけずき』(平凡社ライブラリー)という本。これは創作ではなく、いわゆる「こわいもの」について書かれた随筆を集めたもので、怪談に関する文章はもちろんだが関東大震災の体験について書いた3篇の随筆も収録されている。両者の文章ともそうなのだが、危機的状況に陥った時にこそ、その人がもつ真価が発揮されるというか、あるいは人間性が見えてくるような気がする。震災ではないがたしか江戸川乱歩も、東京大空襲のときに身を挺して町内のひとたちのために尽くしたのじゃなかっただろうか。うろ覚えだけど。(他に幸田露伴にも地震に関する随筆はあったような気がするが、残念ながら見つからなかった。)

 当座の緊急事態対応が終わってライフラインが復旧すると、これから徐々にではあるが元の生活が取り戻されていくことになるのだろう。しかし物質的な充足がなされたあとも、今後長期に亘って精神面でのケアが必要になっていくに違いない。そんな「鎮魂」と「沈思」の時間のためには、こういった先人たちの言葉も何かの役に立つのではないだろうか。また被災地以外の方にとっても心の在り方を考えてみるとき参考になるのではないかと思う。

 一刻も早く被害にあわれた方々の生活と被災地の復旧がなされ、そしてまた復興がなされていきますように。

本が先か本棚が先か

 先週のと今日の丸二日間の日曜日を費やして本棚の新調と本の整理を行った。ここ数年買っては読み、読んでは適当な箱に詰め込んでいたせいで、押し入れもロフトのぐちゃぐちゃ状態だったのだ。本棚を買うといってもそんなに予算はないので(*)、「お値段以上~♪」のCMでお馴染みの店でDIYキットを購入してきた。幅118mm×高さ181mmの立派なもので税込み1万円しない。ただしガラス扉は無し。(ガラス扉はオプションで一枚5000円近くするので、4枚買うと本体の2倍近くかかってしまうのだ。/汗)
 ひとつ20kg近くある梱包をふたつ車に積み込んで、家に着いたら二階へとえっちらおっちら運ぶ。でもこれもみな、費用を安くあげるためと思えば重くない重くない。

   *…なんせ本棚に使う金があったら本を買いたいほうなので......。(苦笑)

 カッターナイフで梱包を開けると、プーンと新品の木の匂いがしてくる。自分で組み立てるといっても大げさな道具は必要なくて、プラスドライバーとニッパぐらいで充分だ。ちゃんと木ダボに付ける木工用ボンドまで入っていて、まさに至れり尽くせりになっている。ラジオをかけながら作業して、およそ3時間あまりで組み立てを完了し、決めておいた設置場所へと運び込む。うん、立派なものだ。
 今回本棚を整理するに当たり、ひとつ考えていたことがあった。それは「好きな本だけを並べる棚」を作るということだ。せっかく新しく本を置くスペースを作るのだから、どうせなら昔からやりたかったことを実現してやろう。というわけで考えたテーマが“幻想と異界の棚”。好きな幻想小説や人類学系の本ばかり、しかもハードカバーばかりを集めた棚を作ってみたい、それが昔からの夢だったのだ。2時間ほどかけて、家じゅうのあちこちにに散らばっていたその手の本を集めてみたところ、一度で棚がいっぱいになってしまった。ざっと数えてみたところ250冊強といったところか。まだ並べたい本はあるのだけれど泣く泣く断念。苦労した割には意外と少ないなあと思いながら眺めていると、それでもだんだん顔がにやけてくる。なんせ上から下まで、そして右から左まで、自分の好きな本ばかりが視野いっぱいに広がっているのだ。これは愉しい。その後の一週間は、家に帰るたびに本棚を眺めては悦に入るという生活が続いた。いい年の中年オヤジが本棚を眺めてにやにやしているのだから、傍からみているときっと気味が悪かったに違いない。
 大きな本がだいぶ片付いたので、これまであった本棚にはあちこちにぽっかりと穴が開いている。こんどはそれらの本を並び替えて、ついでに段ボールの中の本を整理する番である。結構は一週間後の日曜日、つまり今日だ。朝の9時から取りかかったところ意外と大変で、途中の昼食を挟んで結局夕方までかかってしまった。都合7時間ぐらいかかったことになる。なんでこんなに手こずったかというと、途中でこちらもお気に入りの棚を作ろうと本の選別を始めてしまったからだ。(自業自得である。/笑)でもその甲斐あってこちらも愉しい本棚ができた。こちらのテーマは“思想とSF”。これまで買い溜めた哲学・思想の分野でお気に入りの本を左手の棚に、そして昔から買い溜めてきたSFの文庫ばかりを右手の棚に配置してある。実はSF・ファンタジーの本はまだまだ段ボールに詰め込んであるのだが、こちらも棚のスペースが残り少なくなって残念ながら途中でストップ。これ以上やろうとすればもう一つ本棚を買ってこなくてはならないが、くたびれたので当面はいいかな。

 今回、家じゅうの本を見直したおかげで分かったことがある。それは家の蔵書が(おそらく)1500から2000冊ぐらいだろうということだ。読み終わった本はときどき古本屋で処分しているのだが、それでもまだまだ多い。(読む量より買う量が多いから当たり前ではある。)
 「卵が先か鶏が先か?」ではないけれど、本が溢れそうになるから本棚を増設するのか、新たに本を置くスペース(=本棚)が出来るから本を買ってしまうのか悩ましいところではある。しかし間違いなく言えることは、これからも本が減ることはだろうということ。定期的に棚を増やすことになるのは避けられない。となれば、せめてその時には、今回のようにテーマ別の棚を作るなどして愉しくやりたいものである。
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Author:舞狂小鬼
サラリーマンオヤジです。本から雑誌、はては新聞・電車の広告まで、活字と名がつけば何でも読む活字中毒です。息をするように本を読んで、会話するように文を書きたい。

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